audiobook.jp おすすめ本|君に友だちはいらない(著者:瀧本哲史)

この本が役立つ人
  • チームのリーダーとして仕事をする人
  • 表面だけの人付き合いに疑問を感じている人
  • 学生時代にある程度偏差値が高い学校にいた人

投資家としてベンチャーへの投資を行う人にも本書は役に立つように思うが、そういう人はすでにこのくらいの知見は当たり前のように知っていると思ったのであえて「この本が役に立つ人」からは外した。

著者がベンチャー投資を行う上で基準にするという「どのようなチームが成功しやすいのか」という知見や「メンバーが完璧でなくてもメンバーは育っていく」という考え方は、ベンチャー投資に関わらず何らかのチームを率いるすべてのリーダーに有用だろう。

本書のタイトルの本当の意味

ずいぶん煽りの入ったタイトルであるが、タイトルの本当の意味を解説したい。本書は「すべての友だちを切り捨てろ」と言っているわけではないのだ。

このタイトルを本書の内容に合わせて加筆にすると「君にSNSでいいね!するだけのような承認欲求を満たすための友達はいらない、目的を持ったチームを作り圧倒的な成果を残せ!」という感じだろうか。

つまりこの本(オーディオブック)はチーム作りの方法やどのようなチームが成功しやすいかという成功法則を学ぶ本なのだ。

本書で「いらない」と言われている友だちとは、承認欲求を満たすためだけの存在、つまり既読を待ったり、SNSでの友人の数を競ったり、居酒屋で愚痴ったりする存在たち、のことである。

その主張自体はかなり同意できる内容であるが、ではどういった人たちが「いる」友だちなのか?本書では過去の軌跡に目を向けろと主張する。

過去の軌跡とは学生時代の友だち

どのような友達が筆者にとっての「いる」友達なのか?それは過去の軌跡の中に存在すると、アップルやGoogleの創業者を引き合いに出し著者は言う。

過去の軌跡とは何かというと簡単に言えば学生時代の友人のことを指す。

学生時代の友人たちや同じ大学の繋がりなどを活用して、後に莫大な富を創造するアップルやGoogleの創業者たちの例、同じ大学の後輩などに自ら投資している例、を使って筆者は過去の軌跡の有用性を説明する。

いや、分かる、分かるのだが、しかし率直に申し上げると・・・

たいていの人は過去の軌跡もゴミなんだ。

瀧本さんが見落としている最大のポイントは、瀧本さんのいう「過去の軌跡」に属する人たちと「承認欲求を満たすだけの友達」が同じになっている人たちが、今の世の中では多いだろうなという点である。

筆者はSNSだけの繋がりを無意味なものと切り捨て「過去の軌跡」に目を向けろと言う。私もその考え方はかなり賛同する。

しかし大多数の人は筆者の言う「過去の軌跡」にいる友だちこそがSNSやLINEでやり取りする連中なのだ。

確かにアップルやGoogleの創業者たちは学生時代の繋がりから起業して大成功したのかもしれないが、今の日本にいる大多数の人というのは、筆者が忌むべき「SNSの薄い繋がり」と「過去の軌跡」がほぼ同じなのだ。

筆者のように「過去の軌跡」に目を向けることで素晴らしい仲間が見つかる人も確かに世の中にはいるだろう。

ただ私の感じた率直な違和感としては「瀧本さんの言ってることは王道の戦略すぎじゃない?」ということ。そう、王道なのだ。

王道の優秀な人たちが取る、王道の戦略こそ、瀧本さんの言う過去の軌跡から仲間を作る方法である。なのでもし自分は王道にいるなと感じる人にとっては本書はとてもためになるだろう。

過去の軌跡に限界がある人への一つの回答

第2章のまとめの部分で筆者はさらっとこう述べる「今の人生が上手く言っていないと思うなら既存の仲間以外の人とどうやって繋がるか考えろ」と。

確かにもっともな主張なのだが、その詳細については本書ではあまり登場しない。それもそのはず、筆者の瀧本さんは視点を変えれば周りにたくさん有用な仲間候補がいた人なのだ。

でもおそらく京大にも東大にも行けなかった現代の若者たちが一番知りたい部分とは、過去の軌跡の活かし方というよりは「今ある能力を最大化させて幸せになる方法」だろう。

本オーディオブックの最後には書籍には無かった瀧本さん本人による「特別講義」が収録されており、そこで語られる中卒で工場で働いていた人がNYで大成功した話が登場する。言ってしまえば、この「特別講義」で話されるようなケースを読者はもっと知りたいのではないか?と私は感じる。

詳細は実際にオーディオブックを聞いてみることをおすすめするが、この特別講義では「場所を変えると価値が変わるもの」をどんな人でも持っており、それを有効に活用することが日本の中で持たざる者とされる人たちの戦略なのではないか、ということである。

本書はaudiobook.jpの中の聴き放題プランでも聴くことができるのでぜひ一度聞いてみてほしいおすすめのオーディオブックである。




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