audiobook.jp おすすめ本の感想・考察|思考力(著者:外山滋比古)

ベストセラー「思考の整理学」の著者が書いた「思考力」のおすすめポイントと感想を書いたよ!

このオーディオブックのおすすめポイント
  1. 「思考の整理学」を読破した人が復習として聴ける
  2. 現代日本に批判的な意見を持っている人は共感度高い
  3. 後半は著者の経験に即した知恵が豊富に出てくる

▼以下率直な感想。
知識ばかりを蓄えるのが
ダメなのはよく分かった。

しかし外山氏のそのような主張は
ブーメランのように外山氏自身にも
返ってきているように感じた。

知識偏重は外山氏自身にも返ってくる主張

知識ばかりの頭でっかちな人間が
思考力を必要とする社会では
全く役にたたないのはよく分かるし
全面的に同意するところである。

しかし「思考の整理学」→「思考力」の順で
続けざまにオーディオブックを聴いた私は
知識に頼っているのは著者も同じではないか?
と感じざるを得なかった。(まぁ聞いてくれ)

「思考の整理学」
が発売されたのは1986年で
「思考力」が発売にされたのが
2013年である。この間に
30年あまりの歳月が経っている。

私が気になったのは
本作「思考力」でも
名著「思考の整理学」でも
使われる例え話や主張は
ほとんど同じであることだ。

つまり「思考力」という
2013年の本は約30年前の本と
殆ど同じことを言っているのである。

その既視感を感じてからは
ある程度知識に頼っているのは
著者も全く同じなのでは?と
という疑念が拭いきれなかった。

もちろん著者の主張が
非常に普遍性のあるものだったから
30年後も同じ例示を使うのだ
という理屈も分かる。

しかしもし仮にそうだとしても
私はこのオーディオブックに
違和感を感じてしまっていた。

「思考力」から私が感じる嫌な感じ

外山氏の「思考の整理学」
コンピューターやインターネットの
無い時代に書かれた本である。

何かものを考える者に対して
ヒントを与えてくれる本として
今でも時代を超えた名著だと思う。

しかし「思考力」からは
同じような印象を感じなかった。

殆ど同じような話をしているにも
関わらず、である。

その理由は何だろう?

私が思うにその理由は
「思考力」には批判的な内容が
多すぎるのだと思う。

最近の子供はダメ、受験の仕組みもダメ、
大学生もダメ、就職活動もダメ、
日本はダメ、と「思考力」では
面白いくらいにダメ出しが永遠と続く。

このオーディオブックの内容の半分は
ダメ出しと言っても過言ではない。

たとえ親しい人の話であっても
愚痴をずっと聞かされるのは不快である。

ベストセラー作家の主張であろうと
代案無き批判(社会への愚痴)は
かなり聞き手を疲れさせる。

その結果「思考力」の印象は
どんどん悪くなっていく。

批判が中心の書物はオーディオブックには合わない

今回「思考力」を聴いて、
批判的な内容中心の書物を
音声に起こすときの注意点
のようなものを感じた。

ネガティブな情報の量が多い場合
オーディオブック化するコンテンツは
慎重に吟味する必要がある。

文章で見る批判よりも、
耳から聴く批判のほうが、
ネガティブな情報はずっと
ネガティブなものとして頭に残る。

それは例えるなら
「愚痴をずっと聞かされている」
状態とほとんど同じだからだ。

書籍という特性上、
内容に批判的なことが
含まれているのは構わない。

しかし、やはりどうしても
代案とのバランスが悪いと
気持ちが悪くなってくる。
(少なくても私は)

代案無き批判は、
ことオーディオブックでは
聞き手を非常に疲れさせる。
話が未来志向でないからだ。

もちろん批判精神は大事だ。

問題を提起すること
それ自体にも価値はある。

だから私は著者を
悪く言うつもりはない。

ただオーディオブックという
ツールの特性を考えると
批判多め、
代案少なめのオーディオブックは辛い。

オーディオブックになる前の
オリジナルの書籍が
70代を過ぎた男性が書いたものであるなら
特に慎重にならないといけない。

聴き方によっては
「おじいちゃんのつまらない若者批判」
を永遠と聞かされている気分にさえ
なりえるからだ。

個人的な希望を言えば、
著者のような影響力のある人からはぜひ
「私は日本社会を変えるために
◯◯という活動をしている」
というような前向きな話も
聞きたいものである。




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